こんな夫婦別姓法ができても結婚しないかな

 

やれやれ、また法案提出は流れるのか。もう論争の繰り返しに飽き飽き。このブログを検索したら2010年、2021年、今回で3回目。政治がざわつくたびに書き込みしてるみたい。

私はこの件について、当事者なのでなるべく発言することに決めている。事実婚で子どもが2人いて、それぞれ姓は別のまま成人した。息子は彼女と事実婚で孫は彼女のほうの姓。それがなにか?

子どものいる事実婚当事者に私の年代だと、社会学者でも、出会ったことがない。みんな法律婚している。じゃあ、なぜ私がそうしなかったのか。理由はいろいろあるが、はっきりしているのは戸籍制度に反対だから。

家族をひとつにまとめて「入籍」させる戸籍制度そのものが、日本の家族問題の根幹に横たわる病巣で、差別をつくり出すから。「戸籍制度はなくならないから安心して」、とか「子どもの名前を揃える方式」とかいってるような中途半端な法案には、まったく魅力を感じない。

これまでの著作「『母と息子』の日本論」や「離れていても家族」で、そのあたりは熟考してみた。夫婦別姓という論点が政治的立場を決定的に分けるし、日本人が老若男女が全域的に変化を拒み続けている部分。なので、また先送りするとなると、研究上は抵抗が最も根強いという証拠が積み上がるので、予想は正しかったともいえる。いいかげんにはずれてほしい予想ですが。

いまさら国家に1人のパートナーを届け出るシステムってほんとうに必要?

誰の年金や保険や税金を優遇するの?

配偶者をとおして守ってもらうというけども、実際には守られてるというより囲われてない?

弱者は直接救済すればよくない?

法律で無理やり家族という集団をいれて世話してくれと期待するから、うまくいかない。あたりまえだよ。

弱い立場にあるひとを戸籍で囲って縛った家族じゃなくて、広く社会が(現状は国家が)直接守ってよ。親が子を、子が親を、さらに親戚も保護する責任を法律で家族に押し付けないでほしい。結局、明治期の家制度を亡霊のように民法に残したまま。自民党は憲法すらそちらに引き戻そうとしている。

親だろうと配偶者だろうと友人だろうと、世話してあげたい間柄なら、優しくふるまうし。善きサマリア人じゃなくても、とおりすがりのひとが横たわっていたら助けるよ。それが生きていて心地よい社会ではないか。

そうなっていないことのほうが問題で、その諸悪の根源が戸籍と結婚の制度に頼って世話を強制させようという思想だと私は思う。