「揺らぐ子育て基盤」が出版されます

委員会への参加から足掛け5年の歳月を経て、勁草書房から共編著が出版されます。本屋さんに届くのは1月20日の予定。私は第1章の「親の育てかたと子どもの育ち」、第3章の「居住環境と親子生活」を書いています。昨年の8月は、執筆のためにひいひい、言っておりました。それでも今読み返すと、学術本とはいえあまりこなれない日本語で書いているなあと反省してます。
この本では、規模の大きい3つの社会調査データを分析してわかったことを書いています。私自身、新しい発見がいろいろとありました。まずは、保育園に行っている子の方がよく発達しているとか(1章)。相当慎重に分析しましたけれど、そういう結論にたどりついてしまいました。それから、自家用車で通園していると、園で友人・知人をつくりにくいなど(3章)。普段なかなか見えにくいことを、データ分析で浮かび上がらせる作業は大変だけど、とてもスリリング。
以前出版された「<子育て法>革命」では、こういうデータの分析は行っていません。そこで仮説的に出していた子育ての現状を検証したりもしています。単年度の調査ですから、<子育て法>で描こうとした長期的な変化は実証できませんけれど、現状の添い寝率の高さや、卒乳の遅さなどは追認できました。研究を始めた頃と比べると、パソコンの性能はどんどん上がり、データを使う研究はずいぶんラクです。(そのぶんやらなくちゃいけないことも増えたけど。)元理系の私は数字を扱うことに抵抗がないので、やりだすととことんハマってしまいます。苦しいけど楽しい時間でした。
それにしても、ほんとに手間ひまかかっている本です。(共編著者の皆様も必ずや同感されるでしょう。)時々誤解されるのですが、膨大な時間を使ってこういう本を書いても収入はほとんど得られることはないので、これで暮らしてはいけません。でも、調査のための費用を出していただいた独立行政法人福祉医療機構、委員会を支えてくださった全国私立保育園連盟、議論に参加してくださった多くの方がいる以上、結果をまとめて世に出す役割は果たさなくては。手にとってもらえた方々のお役に立てれば本望です。
調査をはじめた頃を振り返ると、まだ子どもと同居していたし、母親業にも追われていたような気がします。いまでは懐かしいほど遠い昔のよう。さすがに乳幼児の子育てに関しては臨場感はなくなりました。ああ、でもまだ、同年代の友人たちはまさに乳幼児を抱えているんですよ。子育てを頑張るにしても、自分の体も大事にしてね、と気をもんでしまう。ほどほどで大丈夫だから安心して子育てしてね。
そうそう、最後に1つ。2年ぶりにフットサル現役復帰の予定。大学がお休みの期間だけ、しばしmy paceな生活を楽しみたいと思います。