Zone8のロンドン郊外を歩いて

 スペインで開かれた国際生活時間学会(IATUR)に参加したあと、ロンドンに渡り調査の旅をしています。毎日太陽がさんさんと輝く暑い街から飛行機でたった数時間。雨模様の寒い街に降り立つ。パイロットが何回も「頭痛のする天気!」って言ってた意味が確かにわかった。イギリス人があれほど夏に出かけたがるのは天気のせいでもあるらしい。みんな言う。金がなくても無理して行くしかないんだって。私的には涼しくてよく寝れるから問題ないんだけどな。
 Zone4界隈のAirbnbに泊まり歩いてZone8などの見知らぬ街に毎日インタビューにでかける、という濃い仕事の旅で、この街の見え方は徐々に変わりつつあります。東京でいうと三鷹の友人宅に泊まりながら飯能の知人を来訪するみたいな感じですかね。もう、行き方慎重に調べないとたどり着けないし大変ですけど、結構楽しんでます。これまでロンドンにはたぶん6回くらいは来てると思うけど大方の日本人と同じで、せいぜいがZone2(http://www.zestrip.net/blog/wp-content/uploads/2016/05/tube_map.gif)どまりでした。去年から予備調査でZone4のRichmondに来ているけれども、そこからさらに遠出して見えてくるのはロンドンの広大さと奥深さ。ロンドン郊外にはFamilyがひしめいてる。子連れで暮らしやすそうなエリアで、巨大なショッピングモールに格安な品揃え。観光客で埋まっているロンドンで子どもが育っているわけではないことを実感中。不思議にも日本人はおろか東アジアの人々には全く出会わないけれどほかの世界からの移民とおぼしき人々とは出会います。みなさんの親切に助けられて過ごしています。LondonにはUndergroundのTubeのほかに、Overground とかTrainとかがあります。ほとんどそれしか乗ってない。今日も当然のようにDelay(遅延)ですが、まあ、そんなもんでしょ。「45分待ちだって!」とかみんな叫びつつしかたがない、って待ってる。
 当たり前かもしれないけど、子連れ家族ってやってること似てる。別に金持ちでもなければ貧乏すぎもしない人がたくさんいて毎日普通に暮らしてる。そういうことって、ニュースにもならないし意外性もないしだからメディア受けもしないんだけど、情報があまりに足りないと思うから比較研究したいと思いました。やはりみんな人間らしく生活を楽しんでるな、と。ある意味安心する。でも日本人が仕事に追われてることはこちらでも有名なようで、「BBCのテレビでやってたのを見たよ」、と近隣コインランドリー店のインド系イギリス人店員さんに言われて、しばし話し込み考えさせられました。そんなに有名なのか、日本人ワーカホリック。まあ、それは真実だよ、と伝えましたけども。さきほどもAirbnb宅の訪問客とそんな話が出て、固定化した日本人イメージに対し自分の話をし柔軟化したかもしれないな。ここはジャマイカ系家族。なぜかここの息子に「おやすみなさい」と日本語で言われた。
 そこまで夜遅くまで働いていないもん、皆さん。そのうえで週末は遊んでますよ、しっかりと。スーパーだって、店だって、そんなに遅くまで開いていない。日曜だと朝遅くてさらに夕方早めに閉まる。要するに、時間を短くしてギュッと人集めしてる。なんであんなに長い事開いてんのかな、日本の店は。街も賑わってるところが多くてシャッター通りってこともない。(たまに閑散とした駅に降り立つとヒヤッとはしてますが。)
 できる限りウロウロして、たくさんの人としゃべってロンドンの家族生活に少しでも近づけたらいいなと思っています。明日からは少し足を伸ばして田舎に行って、また戻ってきます。そうそう、とっても大事な告知をしそびれていました。晶文社スクラップブックで連載「母と息子のニッポン論」(http://s-scrap.com/category/shinadatomomi)連載開始しました。もうすぐ第2回も掲載予定です。4回目はイギリス滞在編を予定しています。合間を縫って執筆頑張らねば、、、。