ミサイルの飛来、台風、そして総選挙

 また自民党の支持率が回復しているらしい。先行きどうなるか雲行きも怪しいから、いまのうちに解散して総選挙をしておけば安泰、という発想なのだろう。戦争危機を煽れば右翼は焼け太りもできるしね。うまいな。さすがに「ナチスから手口を学んだらいい」、という人を副総理に抱く党のやることはちがう。産経は金子勝氏のツイートを取り上げて非国民扱い(どれだけ〜)。そしてみんな翻弄されていく。着々と追い詰められていく小さな国のおバカな振る舞いの後ろにある、世襲で羽振りがよく腹黒い人々の計画に。

 頭上を飛び越えるミサイル。まあ予定通りだし自分がいる県は大丈夫だったわ、と。さして緊張もせずにJアラートを確認して再び眠りにつく。少し前には確か衛星の打ち上げだと言っていた時代があったな。いまでは懐かしい。気付いたときにはJアラートという呼び名の空襲警報が鳴り響く朝を迎える生活になっていた。北朝鮮のミサイル実験と台風とどちらがトップニュースか?どちらかといえば、台風だ。北朝鮮のミサイルが世界の新聞のトップニュースを飾っているかたわらで、日本では台風の脅威の方がさしせまっている。事実、亡くなる方がいたのは台風の襲来のほうだ。

 といっても、台風のために仕事が休みになったりする人はめったにいない。岸和田だんじり祭は予定どおり敢行され、ケガ人が出た。台風なんて怖がっているようじゃ、祭などできないのだ。運動会で人間ピラミッドも頑張るように伝統的祭なんだからビビっちゃいけないらしい。すべてが通常営業の中、不運な人は出張して飛行機が動かず、新幹線が予定外に止まったりする。といっても、たまに架線が風でひっかかるトラブルがなければ、新幹線は過密ダイヤのまま運行され、3連休で予約された宿は満室だったり。すごいな、日本。こうやって通常営業のまま世界大戦に入っていったんだろう。いま歴史は言葉がひびくだけでなく身体に染み込んでくる。

 北朝鮮にもいる市井の人々はきょうも米国を憎む教育を受けて軍事訓練をする。合理的に考えてありえない米国への挑戦状。おお、パールハーバーに一億総動員そのもの。いたいたしいパレードを見るたびに、運動会のマスゲームがフラッシュバックする。すべては日本の過去と重ね合わせてみると「戦争など起きない」という確証が得られない。かの米国がいだくのはトランプである。常人には理解できない思考回路を持つ人が北朝鮮、米国、そして日本のトップにおさまっている時代に、正気で生きることは可能か。

 トップの決断に対して一般市民ができることが少ないのは北朝鮮だろうと、米国だろうと、そして日本だろうと同じだ。民主主義という回路があろうと、全体主義という閉塞があろうと、結実する社会のかたちにはそう差がないとしたら、個人である私になにができるのか。

 そう、書くことしかできないのである。システムに服従せずに、ただそこに立ち続けることしか。料亭料理をさらりと出し続けるいきつけの割烹のおっちゃん。いつものように美味しかった、セグロイワシの唐揚げ。客に偉ぶりもしないけど諂(へつらう)こともない。この人はきっと最後まで一緒に立ちつづけてくれるはずだ。