機密費をもらうジャーナリスト

どうやら本当にいたようだ。権力からお金をもらうジャーナリズムが存在していたとは、すごいことだ。互いに守り合い、世論をつくりあげるマスメディア。座して死を待つのだろうか。政権交代しても、さほど世界が変化したようには見えないながら、政治の力学が変わって何かとほころびやボロが見えやすくなっている。政官財+記者クラブ:鉄の四角形がゆらいでいる。
機密費をもらわなくても、(くれるはずもないが)お金に左右されてものを書かなくてすむように、ということだけは忘れたくないと常々心している。でも、もの書きや評論家はさして裕福ではない。そんなときに、札束をくれるパトロンが現れたらどうする?似たような話は中世の時代に西洋でもあったという。印刷物もない時代、人々はうわさばなしで情報を知るので、時の権力者たちは吟遊詩人をお抱えにして敵に都合の悪い噂を流した。機密費おかかえジャーナリストも似たような感じ、といえなくもない。
さりとて、現代の日本人がマスメディアのいうことを信用しているのか、というとそもそも雲行きが怪しい。新聞・雑誌も読まれなくなっているし若者もテレビ離れしつつある。インターネットにはあらゆる「裏」情報が飛び交う。どの言説にも頼れなくなったとき、私たちはいったい何に寄りかかるのだろう?本気で心配になるのは、どちらかといえばそちらの方である。